冬将軍の足音が聞こえてきたと思うと、今年もあっという間に12月も半ば。
街はどこもかしこもクリスマス一色。街を歩けばXmasイルミネーション、買い物に行けばXmasセール、レストランもXmas限定ディナー・・・等々。
華やかで煌びやかなディスプレイが私たちの気持ちを高揚させてくれます。
元々クリスマスとは「キリスト(Christ)のミサ(mas)」という意味で、一部の教派が行うイエス・キリストの降誕祭。
キリスト教徒でもない日本人が商業的に発展させて、今や外国人も驚く日本独特のクリスマス文化が生まれたようです。
クリスマスには本来は七面鳥を食べるのが習慣だそうですが、日本ではケンタッキーフライドチキンがクリスマスにお手軽にフライドチキンを食べることを宣伝してチキンが定着。
またケーキも不二家の戦略で、「クリスマスにはクリスマスケーキ」というイメージを定着させたのが始まりとのこと。
でも、良いんじゃないでしょうか。
あらゆる異国の文化と正面衝突せずに吸収してジャパン・オリジナルを作り上げるのはさすが八百万(やおよろず)の神々を崇拝する日本ならでは。
その柔軟性・多様性はむしろ誇るべきです。
最近のニュースで読んだのですが、多民族多宗教国家であるアメリカでは、キリスト教徒が多数派とはいえ、それ以外の宗教を信じる人には「メリー・クリスマス(Merry Christmas)」という言葉に抵抗を感じる人が少なくないそうです。
12月はキリスト教の「クリスマス」だけでなく、ユダヤ教の祝日「ハヌカ」やアフリカ系アメリカ人の文化を祝う「クワンザ」など様々な祝日が集中する時期なので、総称して12月を「ホリデー・シーズン」といいます。
なので「ハッピー・ホリデーズ(Happy Holidays)」が一番違和感ないんでしょうね。
最近は日本でも、店頭ポスターやPOPなどで「Happy Holidays」と書かれたものを見かけるようになりました。
そういえばキャメロン・ディアス主演の映画『ホリデイ(The Holiday)』(2006年公開)もクリスマスシーズンを描いたラブコメディ。
実は10年以上も前から「Holiday」の認識が定着していたのですね。
気が付かなかった!
さて最後に、クリスマスになると毎年のように耳にするあの名曲についてひとつふたつ。
誰もが聴いたことがあるビング・クロスビーの名曲『ホワイトクリスマス(White Christmas)』。
この曲が世に出た1942年は第二次世界大戦の真っただ中。世界各地に戦いに出ている兵士が、クリスマスになるとこの曲をみな聞きたがったそうです。
故郷を想う兵士や、帰還を待ちわびる家族にとって、楽しいクリスマスを一緒に過ごしたいという願いがこの曲には込められていたとそうです。
原稿を書いている本日は12月8日(日本時間は9日)。
ジョン・レノンの命日です。
今年も「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)」(Happy Xmas (War Is Over))のミュージックビデオをしみじみと観てます。
アメリカがベトナム戦争の泥沼に入り込んでいた1971年、「Xmasがやってきたよ。もう戦争は終わりだ。あなたたちが望むなら…War is over, if you want it.」と歌い続けたジョン&ヨーコ。
日本では74年間戦争のない平和な日が続いていますが、世界を見渡せばずうっと戦争と紛争の連続。
今年も世界中の人々に公平に幸せなクリスマス(ホリデーズ)が訪れることを願ってやみません。