今秋、日本初開催で大いに盛り上がるラグビーワールドカップ2019。
開幕前にTBSで放映された社会人ラグビーチームのドラマ「ノーサイドゲーム」(半沢直樹や下町ロケットでお馴染みの池井戸潤作品)では不覚にも毎週~感動の涙を流し、W杯を前にすでに臨戦態勢。
そして予選プール初戦の9/20ロシア戦勝利に歓喜し、続く9/28アイルランド戦での大金星に感涙、そして10/5サモア戦での熱闘と終了間際の4トライに全身がシビれました!最高ですねっ!
締切の関係で10/13夜のスコットランド戦の行方が分からないままの入稿となりますが、日本代表「ブレイブブロッサムズ」初の決勝トーナメント進出を信じ、決勝での大活躍を心から祈っております。
さて、私がラグビーワールドカップの存在を知り、大いに興味を持つようになったきっかけは、実は愛してやまない巨匠クリント・イーストウッド監督の傑作映画『インビクタス〜負けざる者たち』。
W杯開催直前にも地上波で放送してましたね。
アパルトヘイトの爪痕が残る南アフリカ共和国で初めての全人種選挙により黒人初の大統領となったネルソン・マンデラが、対立する白人と黒人を一つにするために、当時低迷していた同国代表チーム「スプリングボクス」を立て直し、自国初開催のW杯初優勝へそして祖国統一へ導くという実話に基づく感動のドラマです。
シリアスからスポーツ、ミュージカルまで超一流のエンターテイメント作品を世に送り出し続けているクリント監督ですから、もちろん後半のラグビーの試合シーンは息を飲むほどの圧巻シーンの連続。
ただ、この映画で心に残るのは強烈な光を放つ2人のリーダーの存在です。
一人はもちろんネルソン・マンデラ大統領(モーガン・フリーマン)。
27年間の投獄による怨嗟を乗り越え、その当事者である白人層と敵対することをやめ、祖国を一つにするために全てを捧げた卓越したリーダーです。
そしてもう一人は、マンデラの志に心を打たれ、弱小チーム?を何としてもW杯優勝に導くために決してあきらめることをしない「スプリングボクス」のキャプテン・フランソワ・ピナール(マット・デイモン)。
二人ともカッコ良過ぎです。
「インビクタス」とは、ラテン語で「征服されない、屈服しない」という意味。
劇中でマンデラが詠む詩「我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり(I am the master of my fate,/I am the captain of my soul.)」は、英国の詩人ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩『インビクタス』の一節だそうです。
私達は、何か物事がうまくいかないときにすぐに周囲の環境のせいにしがちです。
しかし、「たとえどんな過酷な環境下でも、その中でどう判断し行動するかを最後に決めるのは私達自身だ」とこの作品は教えてくれます。
決して諦めるな!という『勇気』や『胆力』、人間の持つ限りない『可能性』、そして真のリーダーシップとは何かを私はこの映画からプレゼントしてもらいました。
心理学者ヴィクトール・E・フランクルがナチス強制収容所での体験を元に著した『夜と霧』は17か国語に翻訳され60年以上に渡って世界中で読み継がれている世界的ベストセラーだそうですが、この中でも「どのような状況になろうとも人間にはひとつだけ自由が残されている。それはどう行動するかだ。」と同様のことが書かれています。
毎日良いことも悪いこともいろいろなことがあって、でもへこたれずに前向きに頑張れるのはこの映画のおかげかな。
日本代表「ブレイブブロッサムズ」の勇姿にインビクタス(不屈の精神)が見えたのは私だけではないはず。
頑張れニッポン!