6月下旬に、学生時代から趣味で乗り続けているディンギー(一人乗りの小型ヨット)の引っ越しのため、葉山マリーナ隣の森戸海岸に行ってきました。
30年近くも(女房よりも長く)お世話になったセーリングクラブでしたが、ご主人と奥様がご高齢のため6月末でやむなく閉鎖。
若い頃からの思い出がたくさんたくさん詰まった場所でしたから・・・なくなるのはやはり寂しかったです。
当日はご主人、奥様と別れを惜しみ、同クラブで馴染みのメンバーの方々とも旧交を温めました。
そんな中でも60歳を過ぎてもウィンド・サーフィンや今流行りのS・A・P(スタンドアップパドル)を毎週嗜む横浜在住のSさんが語っていた言葉が実に印象的でした。
「最近はマリンスポーツをやる若者が激減したよね。国がどんどん貧乏になって、若者達が趣味にお金をかけることすらできない社会構造になってきているから・・・。」
そういえば「最近の若者はクルマを買わない」とニュースで目にしました。
人口減と若者のクルマ離れで国内の自動車販売市場がピーク時に比べ3割も縮小し、天下のトヨタ自動車でさえも社長が業態転換を宣言する時代。
自分が若い頃は、18歳になると一目散に自動車免許を取りに教習所へ通い、父の車を借りながらオンボロ中古車でもいいから少しでも早く車を持ちたいと思ったものでした。
時代は変わりましたね (悲しい方向に…)。
「近頃の若者は・・・」と上っ面だけ見て蔑むのは簡単です。
しかし、よくよく考えてみれば、1991年のバブル崩壊からリーマンショック(2008年)を経て20数年という間、日本はずっとデフレで苦しみ、一般消費者の可処分所得もずっと下がり続けています。
この20年間、デフレに苦しみ続けているのは先進国ではなんと日本だけ、人件費が下がり続けているのも先進国では日本だけだそうです。
生まれてから一度も好景気を経験していない若者達が生活防衛のために必要以上の消費行動に走らないのは至極当然であり、これは今の日本の経済社会を作ってきた(あるいは容認してきた私達)大人の責任であります。
終身雇用が崩壊し始め、派遣労働などの有期雇用が定着したのもこの20数年。現代の『働き方改革』で労働生産性を上げながら労働時間を減らすというのはとても耳聞こえの良いスローガンですが、同時に企業が副業を奨励するということは一体どういうことでしょう?
勤務先での残業に制限がかかるため、労働者は収入を補填するために外でのWワークを余儀なくされる?これでは日本はますます貧困化へ向かいます。
様々なご意見があるのは承知ですが、私はもともと景気拡大論支持者ですし、庶民の懐を豊かにし消費を活性化しなければ日本に明るい未来はないと思っています。
好景気に沸いたバブル期は、消費税などなくても国も民間も皆潤っていましたよね。過去の消費増税は、その度ごとに結果として消費を抑制し人々の生活を困窮に向かわせ、同時に実施した法人税減税のおかげで、企業の利益が株主配当という形で外国人投資家らに還流。
この20年でお金の流れも大きく変わりましたが、人為的に設計されたであろうこの構図は実にきな臭いです。
また、「増税分は全額社会保障に使います」とコミットしたはずの前回の消費税増税でしたが、実際に社会保障の充実に使われたのはわずか16%しかなかったことが最近明らかになりました。
喉元過ぎれば熱さ忘れる…日本人はお人好しなんですかね。
間もなくこの国の将来を左右する国政選挙の投票日。各党の経済政策には大いに耳を傾けたうえで、日本の若者達の明るい未来のために貴重な一票を投じたいと思います。