平成最後のお正月を迎えました。
残り僅かとなった『平成』の世は1989年1月8日から始まりました。
今からちょうど30年前、平成元年(1989年)とはいったいどんな時代だったんでしょうか?
今日は懐かしいあの時代を少し振り返ってみたいと思います。
世は好景気に浮かれるバブルの真っ只中。街にはワンレンボディコンが溢れ、ユーロビートが鳴り響く豪華なディスコが続々とオープンした煌びやかな時代(あの「お立ち台」で有名になったジュリアナ東京はまだオープンしてません)。
1985年のプラザ合意以降、急激な円高を乗り越えるべくとった内需拡大政策が国内のバブル景気に繋がったわけですが、一般庶民には円高の恩恵もあり、高嶺の花だった海外旅行が身近なレジャーとなり始めました。
私も20代の頃は随分と背伸びして遊びに行った楽しい時代でした。
平成元年(1989年)に国内で一番売れた曲はプリンセス・プリンセスの『Diamonds』で81.5万枚、日本レコード大賞受賞曲はWinkの『淋しい熱帯魚』(55万枚)。
同年のアカデミー賞作品賞受賞作はダスティン・ホフマン&トム・クルーズ主演の傑作『レインマン』(監督賞、主演男優賞、脚本賞含め4部門)。
日本アカデミー賞作品賞は、今は亡き伊丹十三監督の『マルサの女2』を抑えて井上靖原作の大作『敦煌』(西田敏行・佐藤浩一主演)が受賞しました。
もう30年も経つんですね~。
懐かしいですね~。
また、この年は日本企業が世界的な企業を買い漁った時期でもあります。
平成元年9月にソニーが米コロンビア映画を5200億円で、10月に三菱地所がニューヨークのロックフェラーセンターを2200億円で買収し、大きなニュースとなりました。
松下電器産業(現・パナソニック)が米ユニバーサル映画を買収したのはこの翌年です。
アメリカの社会学者が著した『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の本が世界的ベストセラーになり、終身雇用の日本的経営が賞賛されたのもこの頃でしたね。
消費税が日本に初めて導入されたのは平成元年4月でしたが、当時は経済の減速要因とならず、日経平均株価が史上最高値(38,957円)を記録したのも同年12月29日。
この頃の日本は現在とはえらい違い。改めてびっくりしてます。
翌平成2年3月に大蔵省(当時)の総量規制の通達がきっかけで金融引き締めが始まり後のバブル崩壊へ…。
平成3年以降日本は長期デフレ不況に突入し消費は停滞。
そして今や日本を表する企業が次々と経営危機に瀕し、外国企業に買い叩かれる時代。終身雇用なんて昔の話で、大企業は正社員を減らし派遣労働者を増員、貧富の差は拡大し、さらには外国人労働者の受け入れを拡大する「入国管理法改正」が多くの問題を抱えたまま昨年末に成立。
日本はこの30年で大きくその姿かたちを変えました。
両極端な始まりと終わりの『平成』を振り返ってみれば、世界のマネー戦争に引き摺り込まれ、私達自身がお金に振り回され自分を見失った時代だったのかもしれません。
あと約3カ月半で今上天皇が皇太子殿下にご譲位され、御代替わりが行われます。
次の時代こそは、平和で心豊かに、そして穏やかに暮らせる世の中になってほしい。そう願いたいものです。