先日新聞で『ヤマトHD、配達員不足、料金上げも〜ネット通販普及で』という記事を目にしました。
アマゾンや楽天など、今やネットショッピング花盛り。
個人宅への配送軒数(不在再配達含む)が急激に増え、あの優良企業さえも超過時間労働が常態化し業務が限界に近付いているようです。
かつてアマゾンのCEOジェフ・ベゾス氏は創業期に大金を投じて苦労して全米で作り上げた配送網を横目に、「日本には理想の宅配システムが既に出来上がっていた」と日本の宅配網を賞賛しました。
そんな世界の優等生であるはずの日本の宅配会社も佐川急便は取引条件が合わずアマゾンの配送からすでに2013年に撤退。
その後を独占的に受け継いだ最大手ヤマト運輸までが大ピンチとは・・・。
現在ではネットショッピングをすれば翌日に荷物が届くのは当たり前。
ともすれば当日中に届くことだってあります。
先月物流倉庫が大火事に見舞われてしまったアスクルも確か注文日に納品されることがあったなぁ。
便利な時代になったものだと感心しつつも、ふと我に返っていつも思うのは、「別にそこまで急いでないのに・・・」。
お客様に良かれと思って始めたサービスが、今や顧客の期待を大きく飛び越え、時には過剰サービスと化し、ひいてはそこで働く人達の労働環境を悪化させ、最終的にはギブアップ→値上げ→実質的なサービスの低下へと向かいます。
世の中、何かおかしいですよね。
物質的に豊かになっていつでも欲しいものが手に入る現代は、裏返せば我慢できない人達を再生産すると同時に大切なものを失ってしまった時代ともいえます。
「寛容と忍耐」は日本人の美徳だったはずです。
私が子供の頃はコンビニなんて存在してないから、夜8時過ぎると何も買えないし、お正月三が日はもちろんどこのお店も開いてなかった。
でもその不自由さは「お正月」を特別な日にしてくれていたような気がします。
一年の始まりを厳粛に迎えるなんともいえない空気感が街全体を包んでいました。
このうえなく便利な今の暮らしを全員がもう少しずつだけ我慢すれば、心豊かな暮らしを取り戻せるかもしれません。
ある日突然、地球から電気が消えたという異色な設定の「サバイバル・ファミリー(小日向文世主演)」が2月中旬から現在大ヒット上映中です。
テレビや冷蔵庫、スマホにパソコンといった身の回りの電化製品ばかりか、電車、自動車、ガス、水道まで、電気を必要とするあらゆるものが完全にストップ。
廃墟寸前となった東京を必死で脱出する家族の話なんだそうですが、便利さに慣れきってしまった現代人は果たして生き残れるのでしょうか。
映画の中に何かヒントがあるやも・・!?明日観に行くことにします。