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チャップリンからの贈りもの

 私が子供の頃、親に1度だけチャップリンの映画に連れてってもらったことがあります。家庭でも白黒テレビが数年前にカラーに変わり、映画も煌びやかなフルカラー全盛の時代に、モノクロの無声映画(たぶんリバイバルです)なんて古臭くて・・・と当時観る前は子供心にがっかり。でも、とってもとっても楽しかったことと、チャップリンの存在感に圧倒されたのを覚えています(作品名は覚えてないのですが)。 

 

 昨日チャップリン後期の傑作「ライムライト」を久々に鑑賞しました。なんて優しさに満ち溢れた素敵な作品なんだろう。こんな気持ちになったのはいつ以来でしょうか。久々にお会いしたチャップリンは、時代が経過してもまったく色褪せることなく、哀愁を漂わせながらも、私の心を揺らし続け、「ライムライト」のテーマ音楽が頭から離れず、今も余韻に浸っています。 

 

 故手塚治虫氏は、生前「どうすれば、人々の記憶に残る漫画が描けるのですか?」という質問に対して「とにかくチャップリンの映画を観ろ。あれにすべての答えがある」と決まって答えていたそうです。確かに「街の灯」のラストシーンしかり、「独裁者」の歴史に残る演説しかり、昨日観た「ライムライト」でのいくつもの名セリフもまたしかり…。 

 

 5月のシネマ倶楽部の予定作品は「チャップリンからの贈りもの」。本当にあったチャップリンの遺体誘拐事件を題材に作られた作品です。没後約40年が経過して今なお、私達に愛に溢れたメッセージを送り続けるチャップリン。故人の名作とともにお楽しみくださいね。